「記sirusu(シルス)」の工房は、外壁や屋根の塗り替え以外は、ほぼセルフリノベーションをしています。
この物件を購入したのは1年ほど前。
団地の中の、築34年の元建て売り一軒家。
住宅会社の方いわく『売れにくい家』だそう。
古い日本家屋と、比較的新しい中古住宅のちょうど中間の、それも元建て売り。リノベーションするにもあまり魅力がないらしく、建て替え用の土地としての価値しかないとのことでした。
でも、今の建売住宅と違い、柱や建具はかなりしっかりしているし、潰してしまうには本当にもったいない。
「記sirusu」の購入した物件は、2世帯用に増築されていたため、一階に水回りが2つあり、工房に使うにはとてもよい物件でした。
工房の床は、杉材の足場板を自分たちで「うづくり加工」を行い床を貼りました。
さらに、壁を白く塗り替えライトを変えるだけで、大きく印象は変わります。
「うづくり加工」とは、木目の硬い部分を残し、柔らかい部分をブラシで削ることで木目の凹凸を強調した加工のことで、とても表情豊かになります。
そこに、環境に優しい塗料を布で塗り込んで仕上げをしました。
私たちがその床を、何年も何年もかけて歩くことで、どんどん艶が出てくる。
そんな楽しみがあります。
工房も家もノートも同じ。
丁寧に手をかけ作り上げていくことで、味や風合いにつながり、自分たちだけの物や場所になると思っています。