手製本ならではの紙選び
黒谷和紙にもみ加工を施したので、それと洋紙を合わせてのデザインを考えています。
紙合わせは、紙好きには結構楽しい時間。
合わせる紙によって変わるのが、手製本の良いところ。
印刷された表紙と「手刷り・手製本」の表紙との大きな違いは、一枚一枚の紙にも表情があり、それも合わせて表現ができます。
オーダーノートの「gerbera」は、刺繍のようなデザイン、そのため布地風の紙を選んでいます。
紙の凹凸に合わせて線の細さを決め、シルクスクリーンで印刷をします。
紙の凹凸と線の細さで、刺繍のような表情を出すことができます。ただ、あまり線を細くしすぎるとうまく印刷できないので、微妙に調整をしています。
お月様の名前の紙
店長佐々木は、よく使う紙の名前や種類はある程度覚えているのですが、たくさんある紙見本の中身を、もちろん全て覚えているわけではありません。
デザインが決まったら、紙見本を見ながら合わせています。
紙合わせをしていると「かぐや」という紙がありました。
月のクレーターのようなテクスチャ(紙の表情)なので、「かぐや」のようです。
色は全て「お月様」に関係する名前がつけられていました。
「いざよい」
「三日月」
「上弦」
「下弦」
「十三夜」
「有明」
「満月」
「たちまち」
「ねまち」
「新月」
月の満ち欠けの呼び名の中から9種類選んで名前がつけられていました。
ちなみに月の満ち欠けの名前は16種類あります。
今回は使いませんが、名前も含めて素敵な紙ですね。
紙離れとも言われていますが、まだまだ魅力的な紙がたくさんあります。
そんな楽しさもお伝えできればと思っています。